牛丼チェーンの吉野家が、円安と原価高騰の影響で値上げを余儀なくされています。『うまい・安い・はやい 』という同社の価値観に影響を与えかねない状況です。
牛丼並の価格と取り巻く為替・東京都の最低賃金の推移
年 | 価格 円 | 為替 1USD/円 | 最低賃金 円 |
1990 | 400 | 144 | 548 |
2001 | 280 | 121 | 708 |
2006 | 380 | 116 | 719 |
2013 | 280 | 97 | 869 |
2014 | 380 | 105 | 888 |
2021 | 426 | 109 | 1,041 |
同社は牛肉を輸入に頼っているため、為替相場の影響を受けます。
さらに、労働者の賃金も上昇しており、お客様への価格転嫁につながっています。
実際の足元の実績を見てみましょう。
2022年度の既存店/全店の月次進捗の状況
既存店
3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 上期 累計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
売上高(%) | 111.9 | 111.6 | 109.8 | 106.3 | 110.5 | – | 110.1 |
客数(%) | 105.6 | 107.0 | 105.2 | 99.6 | 100.1 | – | 103.5 |
客単価(%) | 106.0 | 104.3 | 104.4 | 106.8 | 110.3 | – | 106.3 |
全店
3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 上期 累計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
売上高(%) | 113.7 | 113.3 | 111.9 | 108.2 | 112.5 | – | 111.9 |
客数(%) | 107.2 | 108.6 | 107.2 | 101.3 | 101.9 | – | 105.3 |
客単価(%) | 106.0 | 104.3 | 104.4 | 106.8 | 110.3 | – | 106.3 |
2021年、吉野家は牛丼の並盛りを426円に値上げしました。しかし、それでも客足は100%を超えています。
しかし、9月に入ってから食品のさまざまな商品が値上げされてきており、外部環境はより厳しいものです。
従って、継続的な成長を保証されているものではありません。
物価の上昇に伴い、家庭での調理が増え、外食を利用する機会が減るかもしれません。
今後も売り上げは伸びるのか、下がるのか、牛丼チェーンだけでなく、飲食業界全般として、動向を見極めながら投資に活かしたいところです。