ウォーレン・バフェット氏の率いるバークシャー・ハザウェイの総会が、先日 5月4日に開催されました。
投資待機資金が過去最高水準まで膨らんでいるとのことで、『お金があるから株を買う』ではなく『お買い得だから買う』を肝に銘じました。
本日はウォーレン・バフェット氏の投資手法について振り返ってみます。
ウォーレン・バフェット氏は、世界でもっとも成功した投資家の一人として知られています。
彼が率いるバークシャー・ハザウェイの株主総会は、”賢人のオマハ”とも呼ばれ、投資家たちにとっては聖地巡礼のようなものです。
バフェット氏の投資哲学は数十年にわたり多くの人々に影響を与え、彼の人物像を振り返りながらその投資手法を解説することは、現代の投資において非常に価値があることだと言えるでしょう。
ウォーレン・バフェットとは?
バフェットの物語は、1930年にアメリカのネブラスカ州で始まりました。
彼は子供の頃からビジネスセンスに長けており、新聞配達や自分の小さな事業を始めるなどしてお金を稼ぎ始めました。
しかし、彼の本当の旅は、彼がコロンビア大学でベンジャミン・グレアム教授の下で学び、株式投資の価値投資法を学んだことから始まりました。
グレアムの影響はバフェットの投資哲学に大きな影響を与え、彼自身の投資会社を設立する礎となりました。
バフェット氏の投資手法は、根本的には「価値投資」に基づいています。
彼は企業の本質的な価値を見極め、その価値が市場価格よりも大幅に低い場合に投資を行います。
彼の分析には、企業の財務状態、業界の位置づけ、経営陣の質など、多岐にわたる要素が考慮されます。
バフェット氏は特に、長期的な視点を持って投資を行うこと、そして投資する企業のビジネスモデルを深く理解することを重視しています。
また、バフェット氏は投資において「恐怖に買い、欲望に売る」という心理を逆手に取ることで知られています。
市場が恐怖によって非理性的になった時、多くの投資家が売りに走る中で価値ある株を安値で購入し、逆に市場が楽観に満ち溢れている時には高値で売却します。
この冷静で計算高いアプローチは、バフェット氏を世界屈指の富豪にまで導いた要因の一つです。
ウォーレン・バフェットは、長期的な価値投資の哲学に従って数多くの成功例を築き上げてきました。
彼の投資戦略は、財務健全性が高く、優れた経営陣を持ち、市場での強力な地位を確立している企業に長期投資を行うことに基づいています。
American Express
アメリカン・エキスプレスに関しては、1964年に初めて投資を行いました。
クレジットカード事業が有名ですが、当時、倉庫業を営んでおり、食用油の大量の在庫証明書を発行していましたが、実際にはその在庫の多くが存在せず、水で満たされたタンクによって在庫が膨らんでいるかのように見せかけられていました。
この詐欺が発覚した結果、アメリカン・エキスプレスは大きな金融損失を被り、同社の株価も大きく下落しました。
この時期に、バフェットはその基本的なビジネスモデルと将来性に注目しました。
時間が経つにつれ、アメリカン・エキスプレスはその問題を乗り越え、金融サービス業界での強固な地位を確立しました。
バフェットの投資は、この企業の復活と成長を見事に捉えた例となっています。
コカ・コーラ
コカ・コーラへの投資は、1988年に始まりました。
バフェットは、コカ・コーラが世界的なブランド力と圧倒的な市場シェアを持っていること、そして消費者の強いブランドへの忠誠心を評価しました。
これは、長期的な視点から見て魅力的な投資機会であると判断されました。
その結果、投資以降、コカ・コーラの株価は大きく上昇し、バークシャー・ハサウェイに莫大なリターンをもたらしています。
Apple
アップルへの投資は、比較的最近の2016年に始まりました。
テクノロジー業界への投資はバフェットにとって珍しいケースでしたが、アップルの強力なブランド価値、顧客のロイヤリティ、そして財務の健全性に魅力を感じたことが投資の決め手となりました。
この投資は、バフェットの投資哲学が時代と共に進化していることを示しています。
アップルへの投資から得られたリターンは、バークシャー・ハサウェイの資産価値を大きく押し上げる結果となりました。
まとめ
これらの例は、ウォーレン・バフェットがどのようにして長期的な視点での投資に成功してきたかを示しています。彼は企業の基本的な価値を見極め、市場の変動に動じることなく、その投資を継続することで、類い稀な成功を収めています。
ウォーレン・バフェット氏の人物像を振り返りつつ、彼の投資手法について学ぶことは、投資を志すすべての人々にとって非常に有益です。
彼の方法論は、時代を超えて根強い信頼を得ており、今後も多くの投資家にとって指針となることでしょう。