3月に入りましたので、2025年1月から2月末にかけての日米主要株式指数の値動きを振り返ります。
日経平均株価とTOPIX
この期間の動きを見ると、日本株市場は苦しい展開が続いていました。日経平均株価は1月初旬から下落基調が強く、期間中に約4.6%の下落を記録しています。同じく日本のTOPIXも約2.7%下落しました。この要因としては、アメリカが新たに導入した対中・対北米諸国への関税政策が、日本の輸出企業にとってネガティブ材料となったことや、円高傾向が企業収益の圧迫を招いたことが挙げられます。
米国市場の動向
一方、米国市場は日本市場とは対照的に比較的好調な動きを見せました。特にダウ平均株価は約3.4%上昇しており、米国の経済が堅調であることを示しています。S&P500も1.3%のプラスとなりましたが、2月後半にかけては上値が重くなっています。これはNvidiaなど一部のテクノロジー企業が中国発の競争激化を懸念され、利益確定売りが入ったためと考えられます。
グロース250指数
また、日本国内の指数の中でも特徴的だったのは「グロース250 」の動きで、期間中に一時大きく伸び、最大で7%近くまで上昇したものの、最終的には約3%のプラスに落ち着きました。これは市場が軟調な中でも、新興企業や成長セクターに対する投資家の期待が高まった結果だと考えられます。
J-REIT
日本のREIT指数は約1.7%のプラスで推移しましたが、全体としては小動きでした。不透明な市場環境において、安定した収益を求める投資家が一定の資金をREIT市場へ移動させたことを表しています。
全体トレンド
この期間を振り返ると、経済的・政治的な要素、特に米国の貿易政策と中国の競争力の変化が市場に大きな影響を及ぼしていることが明確です。今後、投資を考える上では、世界的な政策動向に加えて、日本企業が円高環境や国際競争にどれほど対応できるかを慎重に見極める必要がありそうです。米国市場においても、ハイテク企業を中心とした利益確定売りや競争環境の変化に注意が必要でしょう。
投資家としては、マクロ環境のリスク管理を徹底しつつ、個別企業の収益力や競争力に注目していくことが大切になります。