PR

不透明な経済や政治環境でボラビリティの激しい株式市場環境が続いているので、改めて投資の初心を振り返る

記事内に広告が含まれています。
PR

不透明な経済や政治環境でボラビリティの激しい株式市場環境が続いているので、改めて投資の初心を振り返ってみます。

株式投資の基本や大切なポイントについてお話しします。

全部で5つのポイントに分けて解説しますので、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。それでは早速始めましょう。まず一つ目のポイントです。

PR

株式市場の現状とリスク


まずは株式市場の現状とリスクについてです。最近の株式市場は、大きな上昇もなく横ばい(いわゆる「ヨコヨコ」)か、やや下落気味という状況が続いています。背景にはさまざまな要因がありますが、その一例が「トランプ関税」に代表される貿易摩擦です。アメリカのトランプ大統領が発動した関税措置によって米中の貿易戦争が激化し、世界経済に不透明感が広がりました。その結果、企業の業績見通しが悪化する懸念が出て、投資家心理も弱含みになり、株価が伸び悩んだり下落基調になったりしているんです。

こうした状況では、市場の先行きに楽観しすぎず注意深く構える姿勢が大切です。現在の投資環境における注意点としては、大きなニュースや政策変化による急な相場変動に備えることが挙げられます。たとえば関税の引き上げや国際関係の緊張などの地政学リスクが報道されると、市場が敏感に反応して乱高下する場合があります。初心者の方は特に、短期的なニュースに振り回されて慌てて売買しないように気をつけましょう。株式市場では良い時も悪い時も周期的に訪れます。リスクがあるからこそリターンも得られるので、リスクとうまく付き合うことが重要です。後ほど「長期投資」や「分散投資」についても触れますが、そうした基本戦略がこの不安定な相場環境では威力を発揮します。焦らず落ち着いて、まずは現状を正しく理解することから始めてみませんか?

PR

株の投資先を選ぶ際の注意点


次に株の投資先を選ぶときのポイントについてお話しします。たくさんある銘柄の中からどれを買えば良いのか、悩ましいところです。闇雲に有名な企業を買えばいいというものではなく、割安な株を見つける目を養うことが大切と考えられます。割安株とは、その企業の本来の価値に対して株価が低めに評価されている株のことです。それを判断するためによく使われるのが、ピーイーアール・PBR・アールオーイーといった財務指標です。聞き慣れない言葉かもしれませんが、できるだけわかりやすく説明します。

PER:株価収益率 株価が会社の利益に対して何倍まで買われているかを示す指標です。計算式は「株価÷1株あたり利益(EPS)」で、例えばピーイーアールが20倍なら「その会社の年間利益の20年分に相当する価格で株が買われている」という意味になります。一般的にはPERが低いほど割安とされ、数値が高いほど割高とされます。ただし業種によって適正なPER水準は異なり、一概に「何倍以下ならお得」と決められるものでもありません。また、PERが低いから必ずしも良いわけではなく、市場から成長期待があまり持たれていないために低い場合もあります。逆に人気の成長企業は利益に対して株価が高め、つまりPERが高めになりがちです。ポイントは、同じ業種の他社と比べたり、その会社の過去のPER推移と比べたりして判断することです。「なぜこの株はPERが高い(または低い)のか?」と理由を考えてみる習慣をつけると、割安かどうかの見極めが上達します。

PBR:株価純資産倍率 会社の純資産に対して株価が何倍かを示す指標です。計算式は「株価÷1株あたり純資産(BPS)」で、例えばPBRが1倍なら「会社の解散価値(純資産)と同じ価格で株が売られている」というイメージです。一般にPBRが1倍を下回る、つまり1より小さいと、その株は純資産に対して割安と判断されることがあります。つまり「会社が持っている資産の価値よりも株価の方が安い」という状態ですね。ただしこれも注意が必要で、ずっとPBRが低いまま放置されている場合は「市場からその程度の価値しかないと見なされている」、言い換えれば業績不振などで評価が低い可能性があります。ですからPBRもピーイーアールと同様、他の指標やその企業の業績動向とあわせて総合的に判断しましょう。極端に低いPBRの銘柄は「お宝の原石」のこともありますが、反対に“割安に見えるだけ”のこともあるので、企業の内容もきちんと調べることが大切です。

ROE:自己資本利益率 企業が株主から預かったお金(自己資本)を使って、どれだけ効率よく利益を上げているかを示す指標です。計算は「当期純利益÷自己資本」で、たとえばROEが10%という場合、「自己資本100円を使って10円の利益を稼いだ」という意味になります。一般にはROEが高い企業ほど経営効率が良く、株主にとって魅力的だと言われます。目安としてROE10%以上であれば優良企業とされることが多いですが、これも業種ごとの平均値によって適正水準は変わります。また一時的な特別利益などでROEが跳ね上がるケースもあるので、できれば数年分のROE推移を見て安定して高いかどうか確認すると良いでしょう。ROEは企業の稼ぐ力を示す指標なので、先ほどのPERやPBRと組み合わせて、「この会社は資本効率が良いのに株価は割安だな」など総合的に判断すると、より的確に割安株を見つけられる可能性が高まります。


これらPER・PBR・ROEはあくまで判断材料の一部ですが、初心者が割安株を探す入口としてはとても役立ちます。証券会社のサイトや投資情報サイトでは、これらの指標を簡単に調べたりスクリーニング(条件検索)したりできるので、ぜひ活用してみてください。ただし指標だけに頼りすぎず、「なぜその数字になっているのか」という背景にも目を向けることが大事です。


続いて、セクターごとの影響についても触れておきましょう。セクターとは業種や分野のことで、企業は大きくテクノロジー、製造業、金融、消費財(日用品)など様々な業界に分類できます。それぞれのセクターが置かれた状況によって、株価にも影響が出ます。たとえばテクノロジー企業は成長期待が高い反面、技術革新のスピードが早く競争も激しいため、業績のアップダウンが大きかったりします。また半導体不足や規制の強化など、業界特有のリスク要因にも左右されやすいです。一方で製造業、つまり工場を持つような企業は、原材料価格の変動や関税の影響を受けやすい傾向があります。先ほど触れたトランプ関税などは、自動車や機械といった製造業セクターに大きな負担となりました。消費財セクター(食品・日用品など)は生活必需品である場合が多く景気に左右されにくいですが、それでも原材料の高騰や消費者の志向変化(例えば健康志向の高まりなど)によって業績が影響を受けることがあります。金融セクター(銀行など)は金利の動向に敏感で、金利が上がる局面では利ざや拡大で有利になる反面、景気悪化時には不良債権が増えるリスクがあります。このようにセクターごとに追い風と向かい風の条件が違いますから、個別の株を選ぶ際には「この企業の属する業界は今どんな状況だろう?」と考えてみることも大切です。初心者のうちは難しく感じるかもしれませんが、ニュースなどで「今日はどこどこの業界の株が売られています」などと言われるのは、業界全体の事情が個別株にも波及しているということなんですね。ですから、興味のある銘柄だけでなく、そのライバル企業や業界動向にも目を配るクセをつけると良いでしょう。


そしてグロース株 vs バリュー株という考え方も押さえておきましょう。聞き慣れない言葉ですが、簡単に言うとグロース株は「高成長が見込まれる企業の株」、バリュー株は「業績や資産に比べて株価が割安な企業の株」のことです。グロース株の典型は、急成長中のIT企業や新興企業などで、先ほどの指標で言えばピーイーアールが高めになりやすい傾向があります。利益はまだ小さくても将来の成長に期待が集まっているので株価が高い、つまり未来を先取りして買われている状態ですね。これらはうまく成長が続けば株価も大きく上がる可能性がありますが、一方で成長が失速したり業績がつまずいたりすると失望売りで急落しやすいというハイリスク・ハイリターンな面も持っています。


一方のバリュー株は、業績が安定している割に市場での評価(株価)が低めの会社などが該当します。例えば伝統的な製造業や金融業、大型の優良企業だけど一時的な不景気で売られているようなケースです。こうした企業はピーイーアールやPBRが市場平均より低めであることが多く、「割安だ」と考えた投資家が買えば株価が見直されて上昇する可能性があります。また配当金をしっかり出している会社も多く、株価があまり上がらなくても配当收益(インカムゲイン)で利益を得ることができます。ただしバリュー株にも注意点があり、本当に市場の見落としで割安になっている掘り出し物もあれば、業績低迷が長引いていて「割安に見えるけど実は適正価格」なんてケースもあります。ですので、グロース株にせよバリュー株にせよ、一方向だけに偏らずバランス良く見るのが大事です。最近の相場では、経済環境によってグロース優位になったりバリュー優位になったりと潮流の変化(ローテーション)が起こります。金利が低く経済成長が緩やかな時期は成長企業に資金が集まりやすく、逆に金利上昇局面では堅実なバリュー株が見直される、といった傾向もあります。初心者のうちはあまり難しく考えすぎず、「この株は将来の伸びに賭けるグロース的な投資か、それとも割安さに着目したバリュー的な投資か」くらいのイメージを持っておくと良いでしょう。自分がどちらのタイプの投資が性に合っているか、考えてみるのも面白いですね。

PR

分散投資の重要性


続いて三つ目のポイント、分散投資の重要性についてです。一言でいうと「卵を一つのカゴに盛るな」という有名な格言に尽きます。つまり、資産を一箇所に集中させず色々な投資先に分けましょう、ということですね。どうして分散が重要かと言うと、特定の株や資産に全額を投じてしまうと、もしそれが暴落した時に資産全体が大打撃を受けてしまうからです。逆に分散していれば、一部の投資が不調でも他が好調ならカバーできますし、全滅するリスクが下がります。


分散投資にはいくつかの次元があります。一つは銘柄の分散です。例えば株式投資であれば、1社の株だけでなく複数の会社の株を持つことが基本ですね。できれば業種(セクター)も分けた方がいいです。銀行株ばかり何社も持つより、銀行、食品メーカー、IT企業といった具合に異なる業界の株を組み合わせた方が、特定業界の不調で全部ダメになる事態を防げます。そして日本株だけでなく、余裕があれば海外の株式にも目を向けるとより分散効果が高まります。日本の景気が悪い時でも、アメリカや他の国の株が好調ならそちらで補えるかもしれません。最近は海外株式に簡単に投資できるETFや投資信託も多いので、そうした商品を活用するのも手です。


もう一つは資産クラスの分散です。資産クラスというのは、株式のほかに債券やコモディティ(商品)など異なる種類の資産のことです。典型的なのは債券ですね。債券は国や企業が発行する「借金の証書」のようなもので、一定の利息収入が得られ、価格変動も株式ほど大きくありません。一般に景気が悪く株が下がる局面では、安全資産とされる国債など債券の価格が上がる(またはあまり下がらない)傾向があります。ですから株と債券を組み合わせて持つと、一方が下がってももう一方がクッションになる効果が期待できます。コモディティへの投資も分散の一部です。代表的なのはきん(ゴールド)ですね。金は「有事の」と言われるように、戦争や金融危機など有事の際に価値の逃避先として買われやすい資産です。株式と逆相関になることも多く、株が大暴落するときに金価格が上がってポートフォリオ全体を下支えしてくれることがあります。また原油などエネルギー資源もコモディティですが、こちらは景気に連動する面が強いです。景気が良く需要が増えると原油価格も上がる傾向にありますが、一方で産出国の政策や国際情勢によって乱高下することもありますので、リスク資産ではあります。ただ、株式とは異なる値動きをする可能性があるという点で、組み合わせる意味はあります。さらに言えば、不動産やREIT(不動産投資信託)なども資産クラスの分散になりますが、初心者の方はまず株式・債券・コモディティあたりを押さえておけば十分でしょう。


こういった複数の資産を組み合わせて持つ比率のことを資産配分(ポートフォリオ)と呼びます。自分のリスク許容度に応じて、株、債券、コモディティの配分を決めるわけです。例えば安定重視の人は「株50%・債券40%・その他10%」みたいに比較的守りを固めた配分にするし、積極的に増やしたい人は「株80%・債券10%・その他10%」などリスク多めに振ることもあります。この比率に正解はなく、人それぞれの状況や性格によって変わります。また時間が経てば資産ごとの値動きで比率がズレてくるので、例えば毎年1回は元の配分になるよう売買して調整(リバランス)する、という管理の仕方もあります。


「なんだか難しそう…」と思われたかもしれませんが、初心者でも簡単に分散投資を実践できる方法があります。それはETFやインデックスファンドを活用することです。ETF(上場投資信託)や投資信託には、最初から分散された複数の銘柄がパッケージされている商品がたくさんあります。例えば日経平均株価やS&P500指数(アメリカの代表的な株価指数)に連動するインデックスファンドを買えば、その指数に含まれる数十から数百の会社にまとめて投資したのと同じ効果が得られます。また債券やコモディティに連動するETFもあり、金に投資する「ゴールドETF」や原油価格に連動するETFなども手軽に購入できます。そうしたものを組み合わせれば、一つ一つ個別に買わなくても簡単に分散ポートフォリオを作れるというわけです。最近はロボット投資(ロボアドバイザー)といって、AIやアルゴリズムが自動的にあなたに代わって資産配分を考え、ETFを活用して世界中の株や債券に投資してくれるサービスも人気です。代表的なロボアドバイザーでは、あなたのリスク許容度の診断に基づいて「株まる%、債券まる%、不動産まる%、コモディティまる%」という組み合わせを提案してくれ、その配分で自動的に運用してくれます。忙しい方や、自分で配分を考えるのが難しいという方には、こうしたサービスを利用するのも一つの手でしょう。


まとめると、分散投資の目的はリスクを抑え、安定した資産形成を目指すことにあります。一つの資産が不調でも他で補えるようにしておけば、大荒れの相場でもダメージを和らげることができます。もちろん分散すれば絶対損しないというわけではありませんが、少なくとも「一か八か」のギャンブル的な要素は薄まり、じっくり資産を育てる土壌ができます。投資初心者の方は、まず身近なところで「分散」を意識してみてください。例えば「この1社だけ買うのは不安だから、似た資金で2社に分けて買ってみようかな」でも立派な分散の第一歩です。慣れてきたら資産クラスの分散にも挑戦してみましょう。分散投資は地味ですが、長い目で見てとても効果的な戦略なのです。

PR

時間を味方にする方法


四つ目のポイントは、時間を味方にする方法についてです。これは平たく言えば長期投資のススメですね。投資の世界では「時間」は非常に強力な味方になります。なぜなら、資産運用には複利の力が働くからです。複利とは利益がさらに利益を生む仕組みのことで、長い期間をかければかけるほどその効果は大きくなります。例えば毎月1万円ずつコツコツ積み立てて年利5%で運用できたとすると、20年後には元本の240万円前後が約400万円にも増えている計算になります。ただ貯金しただけなら240万円のままですが、運用益が運用益を生むことで約1.6倍にもなっているわけです。このように時間をかけることでお金がお金を呼ぶサイクルが回り始めるのが長期投資の魅力です。もちろん毎年5%の利回りで順調に増えるとは限りませんし、途中で景気の波もあるでしょう。しかし重要なのは、市場に長く居続けることで平均的な成長の恩恵を受けられる可能性が高まるという点です。歴史的に見れば、株式市場は短期的には上下に変動しつつも、長期的には経済成長とともに拡大してきました。特に世界全体に目を向ければ、過去数十年の間に幾多の危機(ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックなど)がありましたが、それを乗り越えて主要な株価指数は以前の高値を更新し続けています。長期投資をすれば必ず儲かるとは言えませんが、少なくとも短期の上げ下げに一喜一憂するより落ち着いて構えやすく、結果として良いタイミングを逃さず市場の成長に乗りやすいというメリットがあります。


長期投資を実践する上で、初心者に特におすすめしたいのがドルコスト平均法による積立投資です。ドルコスト平均法とは、価格に関係なく定期的に一定額を投資し続ける手法です。例えば毎月1日に1万円ずつ投資信託を買う、といった具合に機械的に買い付けを行います。こうすると、価格が高い時には少ない口数しか買えませんが、価格が安い時には同じ1万円でたくさんの口数を買うことになります。結果的に購入価格が平均化され、高値づかみのリスクを減らせるのです。相場が大きく上下する局面でも、安い時にたくさん買えているので後々リターンが出やすくなりますし、人間の感情としても「下がったらどうしよう…」と悩まずに済むので精神的に楽です。積立投資は、特に相場が不安定なときほど威力を発揮します。むしろ下落相場こそ積立のチャンスで、安い価格でコツコツ買い集めることができます。いざ相場が回復すれば、その間に買った安い株たちが一斉に含み益をもたらしてくれるわけです。まさに「時間を味方に付ける」戦略と言えるでしょう。


では短期トレードはどうかというと、こちらは短い期間で売買を繰り返し利益を狙う手法です。上手くいけば数日から数ヶ月という短期間で利益を出せる魅力がありますが、実際にはタイミングを見極め続けるのは非常に難しいです。初心者の方がいきなり短期勝負に挑むと、相場の上下に振り回されてしまい、安値で売って高値で買い戻すという失敗(高く買って安く売る)をしがちです。短期売買は常に市場をチェックして判断を下す必要があり、精神的なプレッシャーも大きいです。少し相場が下がると不安で夜も眠れなくなったり、逆に上がり出すと欲が出てもっともっとと欲張ってしまったり、人間の心理が強く影響します。もちろん短期トレードで成功している人もいますが、それは豊富な経験や高度な分析力、時には運も必要です。ですから、まずは長期投資で腰を据えて資産形成しつつ、もし短期トレードに興味があれば余裕資金の一部でチャレンジしてみる、というくらいが良いでしょう。長期メイン・短期サブというバランスですね。長期投資で土台を作っておけば、仮に短期トレードで多少損失が出ても全体への影響は小さくて済みます。


長期投資の良いところは、心理的にも穏やかでいられる点です。日々の細かな値動きは気にせず、「5年後10年後に今より成長しているだろう」と思える企業や市場に資金を置いておくイメージです。短期の値下がりよりも企業の将来性に注目するので、一時的な暴落が来ても「むしろ買い増しの好機かも」と落ち着いて構えやすくなります(このあたりの話は次の「暴落時のチャンス」で詳しく述べますね)。逆に短期勝負ばかりしていると、常に相場の動きを追いかけなければならず、心が休まりません。スマホに張り付いて値段をチェックしては一喜一憂する…といった状況では、日常生活にも支障が出てしまいますよね。投資はあくまで人生を豊かにする手段の一つなので、本業やプライベートの時間を犠牲にしてしまっては本末転倒です。その点、長期投資であれば日常生活の合間にゆったり構えて資産を育てることができます。「忙しいから相場を見ていられない」という人ほど、積立による長期投資は向いていると言えるでしょう。時間を味方につけて、焦らずじっくり資産を増やしていく——初心者の方には是非このやり方を覚えておいてほしいです。

PR

暴落時のチャンスの見極め


最後、五つ目のポイントは暴落時のチャンスの見極めについてです。株式市場には良い時もあれば悪い時もありますが、中でもみんなが恐れるのが暴落です。リーマンショックやコロナショックのように、短期間で株価がドーンと大きく下がる局面ですね。初心者にとって暴落は怖いものですが、実は視点を変えればチャンスでもあるということを覚えておいてください。著名な投資家ウォーレン・バフェットの有名な言葉に「他人が貪欲になっている時には恐れ、他人が恐れている時には貪欲になれ」というものがあります。簡単に言えば「みんなが強気でガンガン買っている時は用心して、みんなが弱気で怯えている時こそ大胆に買え」という意味です。暴落時はまさに後者で、市場全体が悲観に沈み「もう株なんてダメだ…」と投げ売りが出ているような状況です。しかし冷静に考えると、世の中の全ての企業の価値が一夜にして半分以下になるなんてことは普通あり得ませんよね。本質的には良い会社までみんな一緒くたに売られてしまい、株価だけが一時的に過剰に下がっているケースが多いのです。そこにこそチャンスがあります。勇気を出して、割安になった優良株を見極めて拾うことができれば、やがて市場が正常に戻った時に大きなリターンを得ることができます。実際、歴史的な暴落の後には優良株や株式指数全体が見事に回復し、「あの時が絶好の買い場だった」と振り返られることが多いです。例えば2008年のリーマンショックでは世界中の株価が半分以下になる大暴落が起きましたが、その底値近辺で思い切って買った人たちは、その後10年ほどの強い上昇相場で資産を大きく増やすことができました。直近では2020年のコロナショックでも同様で、急落に恐れず優良なインデックスや株を仕込んだ投資家は、その後わずか1、2年で急速な回復・上昇の恩恵を受けています。


とはいえ、「暴落時に買う」のは頭で理解していても実践するのはとても難しいです。なぜなら実際に暴落が起きている最中は、先行きが真っ暗に思えて恐怖心が勝ってしまうからです。これは市場心理といって、誰しも陥りがちな心の動きです。株価が下がり始めると不安になり、さらに下がると恐怖に変わり、やがてパニック的に売ってしまう。一方、上がり始めると「もっと上がるかも」と欲が出て、周りが熱狂しているときには冷静さを失って高値掴みしてしまう。人間の心理はどうしても群集と同じ行動をとりがちなんですね。そうした典型的な心理のサイクルが市場全体で起こると、相場は上がり過ぎたり下がり過ぎたりします。暴落時は下がり過ぎの局面であることが多く、だからこそ冷静な人にはチャンスになるわけです。過去の事例を学ぶと、市場参加者の心理パターンが見えてきます。1929年の世界恐慌からITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックまで、どの暴落でも共通するのは「みんなが悲観一色のときに底が来て、その後時間とともに回復した」という点です。とはいえ、銘柄選びを誤ると回復しないどころかそのまま倒産してしまうリスクもありますから、何でもかんでも暴落で買えば良いというわけではありません。ここで重要なのが割安になった優良株の目利きです。


では、どうやって「暴落時の優良株」を見極めればいいのでしょうか。基本は先ほど説明した財務指標や業績の分析になりますが、平時よりも慎重な見極めが必要です。ポイントをいくつか挙げてみますね。まず、その企業の財務健全性を確認しましょう。暴落の局面では景気が悪化していることが多いので、赤字転落や資金繰り悪化で倒産の危機に陥る企業も出てきます。負債(借金)が多すぎないか、現金や資産は十分か、といった点は重要なチェックポイントです。次に、その暴落の原因が一時的なものか、構造的なものかを見極めます。例えばリーマンショックやコロナ禍のように市場全体がパニックになって下げている場合は、優良企業も巻き添えで下がっているだけで本質的な競争力や将来性は損なわれていないケースが多いです。そういう企業は景気が回復すれば業績も元に戻り、株価もいずれ回復すると期待できます。一方で、その業界自体が技術革新で斜陽化してしまうようなケース(例えばデジタル化の波で従来のビジネスモデルが通用しなくなった等)では、いくら株価が下がっていても容易には元に戻らないかもしれません。ですから、「この会社は一時的な打撃を受けているだけなのか?それとも将来にわたって影響するダメージを負ったのか?」を考えることが大切です。具体的には、売上や利益の落ち込み方、業界全体の動向、その会社の商品やサービスへの需要が今後もあるか、といった点をリサーチします。初心者の方には難しく聞こえるかもしれませんが、ニュース記事や決算発表の内容を追ってみると、「この会社は在庫が積み上がって苦しいが、業界全体で需要が戻れば解消しそうだな」など少しずつ見えてくるものです。最初は専門用語ばかりで戸惑うかもしれませんが、興味のある企業について調べてみる習慣を持つと、暴落時の目利き力も徐々についてきますよ。


また過去の成功事例から学ぶのも良い方法です。歴史的な暴落局面で実際にどういう銘柄が買いチャンスだったのかを調べてみると、大変参考になります。例えばリーマンショック後には、多くの優良企業(トヨタやソニーといった日本を代表する企業から、AppleやAmazonのような米国の成長企業まで)が例外なく大きく売られましたが、数年後には業績回復とともに株価も大きく反発しました。もし暴落時にそれらを安値で仕込めていればと考えると、歴史を振り返る意味は感じられるのではないでしょうか。もちろん「たられば」を言っても仕方ありませんが、過去のチャートや事例を知っていると、次に暴落が来たときに「あの時と似ているな。優良企業が安くなっているぞ」と冷静に行動しやすくなります。さらに言えば、暴落時に実際に買い向かった有名投資家たちのエピソードも学びが多いです。先ほど名前を挙げたウォーレン・バフェット氏は2008年の金融危機の際に積極的に優良企業へ投資し、その後の回復局面で大きな利益を得ました。またジョン・テンプルトンという伝説的投資家は、第二次世界大戦が始まる頃に「絶望のどん底」にあった株式市場で誰も見向きもしない超低位株を大量に買い集め、戦後に巨万の富を築いた話が有名です。さすがに一般の私たちがそこまで大胆なことはできないかもしれませんが、「ピンチの時こそチャンス」という考え方は心に留めておきたいですね。


実践的なアドバイスとしては、平時から「この企業の株価がまる円くらいまで下がったら買いたいな」というウォッチリスト(監視リスト)を作っておくと良いです。いざ暴落が起きて頭が真っ白になってしまうと、どの銘柄に注目すべきか考える余裕もなくなります。そうではなく、普段から「この会社は財務もしっかりしてるし事業も魅力的だ。だけど今はちょっと株価が高いかな」と思っている銘柄をリストアップしておき、目安となる株価や指標をメモしておくのです。そして市場全体が崩れてみんなが投げ売りしている時にそのリストを見返して、「A社がついに適正だと思っていたPERまる倍水準まで下がってきたぞ、これは仕込み時かも!」という風に行動に移すわけです。こうした準備をしておけば、感情に流されず客観的に判断しやすくなります。逆に言うと、何の勉強も準備もしていないまま暴落に突入すると、恐怖に駆られて安値で全部売ってしまったり、あるいは根拠なく「きっと上がるはず」と落ちていくナイフを掴んでしまったりと、失敗しやすいです。チャンスと感じるためには日頃の学びと準備が必要ということですね。初心者のうちは難しく感じるかもしれませんが、最初から完璧にできなくても大丈夫です。経験を重ねるうちに、「みんながパニックの時ほど落ち着こう」という余裕が少しずつ持てるようになります。その頃にはきっと、市場の暴落も怖いだけでなく「将来振り返ったら今がチャンスだったと思えるかも」と前向きに考えられるようになっているでしょう。

PR

まとめ

今回は投資初心者の方向けに、5つのポイントに沿ってお話ししました。株式市場の現状とリスクでは、トランプ関税の影響や横ばい・下落基調の今の相場で慌てず冷静に構える大切さをお伝えしました。銘柄選びの注意点では、PER・PBR・ROEといった指標を使った割安株の見つけ方や、セクターごとの特徴、グロース株とバリュー株の違いについて解説しました。分散投資の重要性では、リスクを抑えるために複数の銘柄・資産に投資を分けること、株以外にも債券や金などを組み合わせるメリット、ETFやロボアド活用による手軽な分散方法に触れました。時間を味方にする方法では、長期投資のメリットやドルコスト平均法による積立の効果、短期投資との違いと心理面の話をしました。そして暴落時のチャンスの見極めでは、投資家心理と過去の事例から暴落時にこそ生まれるチャンスを捉える考え方、優良株を安く買う目利きのポイントについてお話ししました。盛りだくさんの内容でしたが、どれも投資をしていく上で少しずつ身につけていってほしい大事なポイントです。いきなり全てを完璧に理解・実践する必要はありません。今回聞いて気になったところからで構いませんので、ぜひご自身でもさらに勉強してみてください。たとえばPERやPBRの計算方法を実際に好きな企業で調べてみるとか、簡単な分散ポートフォリオを紙に書いて考えてみるとか、できることはいろいろあります。投資の世界は学べば学ぶほど奥深いですが、その分自分の成長が資産の成長にもつながる楽しさがあります。

PR

終わりに

初心者のうちは不安も多いかもしれませんが、誰もが最初は初心者ですし、失敗しながら学んで上手になっていくものです。重要なのは、今日お話ししたような基本原則を押さえつつ、焦らず一歩ずつ経験を積むことです。最初は小さな金額から始めて、慣れてきたら徐々にステップアップすると良いでしょう。くれぐれも無理のない範囲で、余裕資金で投資を行ってみてください。マーケットは常に変化しますが、基本を守り、分散と長期の視点を持っていれば大きく道を踏み外すことは防げるはずです。ぜひ「時間」と「知識」を味方につけて、賢く資産形成をしていきましょう! 長い時間お付き合いいただきありがとうございました。これからも一緒に学びながら、健全な投資ライフを送っていきましょう。それでは、また次回お会いしましょう!

Ads Blocker Image Powered by Code Help Pro

広告ブロックを確認

広告ブロッカーを使用していることを検出しました。広告ブロッカーを無効にしてください。本サイトは広告の収益で運営しております。ご了承ください。

タイトルとURLをコピーしました