中古車業界は高度な成熟を遂げつつありますが、その過程で業界内に様々な課題が顕在化してきました。その中でも、特に問題となるのが「利益追求を最優先とし、経営の顔色を伺うようになった結果、不正に手を染める」という現象です。
ビッグモーターの不正に関する情報が、日々ニュースで報道されています。外部弁護士がまとめた調査報告書によると、同社の従業員はゴルフボールを靴下に入れてふりまわすなど意図的に車両に傷をつけて損傷範囲を広げ、損害保険会社に過大な修理費を請求していました。また、最近では公共所有物である街路樹を枯葉剤を撒いて枯していたことも話題になってます。
一方、従業員を守るために透明性を確保する経営を推進している企業も見受けられます。
今回は、ガリバーを運営するIDOM社の取り組みを例に、その背景と解決策について詳しく解説します。
利益追求と経営の顔色
企業は利益を追求するのは当然のこと。しかし、それが極端になると、従業員は経営者や上司の意向を過度に気にし、目の前の数字や短期的な成果ばかりを追い求めるようになります。
このような組織文化の中では、少しでも数字を上げるため、あるいは経営の顔色を伺うために不正行為に手を染めることが発生しやすくなります。
実際に、最近、ビッグモーターの不正がニュースとなっています。
従業員を守る経営の必要性
従業員が不正行為に手を染める背後には、組織内のプレッシャーや不安定な職場環境が存在します。
そこで経営者としては、利益追求だけでなく、従業員の安全や職場環境の安定を重視する姿勢が不可欠です。
従業員を守るとは、単に給与や福利厚生を提供することだけではなく、組織の中で安心して業務に取り組める環境を整えることを意味します。
中古車販売会社 ガリバーを運営するIDOM社の取り組み
IDOM社は2023/08/25にプレスリリースを開示しました。
1. 透明性の確保
IDOM社は、不正疑惑に対して直ちに自社の板金工場を調査。結果、保険金の不正請求や車検不正の問題は確認されませんでした。
これにより、外部からの疑惑に迅速に対応し、信頼回復へのステップを踏むことができます。
2. 定期的な監査の実施
不正を未然に防ぐため、IDOM社では車検の監査を定期的に実施しています。
もし不備や不正が発見された場合、即座に関連機関に報告し、適切な措置をとる姿勢が示されています。
3. トレーサビリティの強化
IDOM社の板金部門では、各作業の過程を写真で記録し、保険会社と共有する体制を採用。
さらに、顧客が直接作業の進捗を確認できるよう、工場内にオンラインカメラを設置を推進する予定。
これにより、作業の透明性を保ち、顧客に安心感を提供しています。
IDOM社の取り組みは、この「従業員を守る経営」の方針を具体化したものです。
不正疑惑が浮上した際、迅速に内部調査を行い、透明性を持って結果を公表することで、従業員の信頼を回復しました。
また、トレーサビリティの強化や定期的な監査など、不正行為が発生しづらい環境を整えることで、従業員を守る方針を強固にしています。
まとめ
企業の経営者やリーダーたちは、数字や利益ばかりを重視するのではなく、従業員を中心とした経営を心がけることが求められます。
IDOM社のような取り組みは、他の企業や組織にも参考として取り入れられるべき戦略であり、持続可能なビジネスの基盤となるではないでしょうか?