「中国リスク」とは、企業や投資家が中国との取引や投資を行う際に考慮すべきリスク要因の総称です。
中国の経済規模、地政学的位置、文化、政治体制など独特の背景から、他の国々とは異なるリスクが存在します。
以下に、主な中国リスクの要因を挙げてみましょう。
中国投資の一般的なリスクとは?
- 政治リスク: 中国は一党制の共産党が統治しています。政策の方針変更や国内の政治的不安定性は、ビジネス環境に影響を及ぼす可能性があります。
- 規制リスク: 中国の法律や規制は急激に変わることがあり、外国企業の活動に影響を与えることがよくあります。特にテクノロジーや金融分野などでの規制変更は注意が必要です。
- 通貨リスク: 中国の通貨、人民元(RMB)は独自の通貨政策を持っており、為替レートの変動が外国企業の利益に影響を及ぼす可能性があります。
- 知的財産権リスク: 中国での知的財産権の保護は他の国々に比べて不十分な場合があり、模倣品や技術の盗用のリスクが高まる可能性があります。
- サプライチェーンリスク: 中国は多くの国々のサプライチェーンの中心に位置しています。しかし、天災、労働争議、インフラの問題などにより、供給が停滞するリスクがあります。
- 地政学的リスク: 中国と他国との間の緊張が高まる場合、経済的な制裁や貿易戦争のリスクが考えられます。
- 市場アクセスリスク: 中国の市場は巨大ですが、外国企業がアクセスするのは難しい場合があります。規制、ライセンス、合弁企業の要件など、多くの障壁が存在します。
最近は不動産市況の悪化の影響も考慮
中国恒大、上期は330億元の赤字-過去2年の巨額赤字に続き https://t.co/A9NKs6Jqav
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) August 27, 2023
不動産市況のリスクについて考えてみましょう。
中国の経済における不動産市場の動向は、その経済全体の健全性と深く結びついています。
特に、過去の数十年間で急速に成長した都市部の不動産市場は、多くのリスクを孕んでいるとの指摘もあります。
以下、中国リスクの中で、不動産市場と経済の動向に関連するリスク要因を追記します。
- 不動産市場の過熱: 過去数十年にわたり、中国の都市部の不動産市場は急速に拡大しました。多くの都市で空き家の問題が生じており、投機的なバブルが形成される懸念が存在します。このバブルが破裂すると、金融システムや経済全体に大きなダメージをもたらす可能性があります。
- 金融機関のリスク: 中国の不動産市場の成長は、多くの金融機関が大量のローンを組成することによって支えられています。不動産価格の下落や不動産関連のデフォルトが増加すると、これらの金融機関の健全性が危機にさらされる可能性があります。
- 経済の連鎖反応: 不動産業は中国経済の大きな部分を占めており、このセクターでの下落は他の産業にも影響を与える可能性があります。特に、建設、鉄鋼、セメント、家具、家電など、多くの産業が不動産市場の動向に直接的・間接的に影響を受けています。
- 消費者信頼の低下: 不動産価格の下落や経済の低迷は、消費者の信頼を低下させる可能性があります。これにより、家計の消費や投資意欲が落ち込む恐れがあります。
以上のように、中国の不動産市場と経済の動向は密接に関連しており、一部のセクターでの不調が全体の経済に大きな影響を与える可能性があります。
したがって、中国でのビジネスや投資を行う際には、これらのリスク要因も考慮に入れる必要があります。
日本株の投資においても、中国依存度の大きい企業への投資については、一歩引いて今後の状況を考慮に入れておきたいところです。
先日の「海外売上高比率が高い大手企業」でピックアップした83社について中国向け比率(対総売上)を追記しました。注釈など含めた詳細をnoteに記載しておりますので、こちらからご覧ください👇https://t.co/Xa6b2i9lBT https://t.co/bTCZGOXTQL pic.twitter.com/BIWxgW7qBR
— 池田伸太郎 (@sikeda23) August 21, 2023