コロナ禍の影響で、多くの企業がコスト削減の一環として株主優待の廃止を余儀なくされていました。しかし最近、株主優待を新設する動きが見られます。
市場区分条件やPBR1倍割れが話題になる背景
東京証券取引所は、プライム市場をはじめとする市場区分において、以下の条件を設定しています。
- 流通株式比率が35%以上
- 株主数が800人以上
- 流通株式時価総額が100億円以上
これらの条件は、市場の透明性と信頼性を高め、より質の高い企業を市場に提供することを目的としています。また、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業に対しても、対策を求めています。
企業の対策が相次ぐ
日本エコシステム
このような状況の中で、株主優待の新設が相次いでいます。例えば、日本エコシステムは200株以上保有する株主に対して、毎年3月と9月にQUOカード 15,000円分の株主優待を新設しました。
この発表を受けて、同社の株価は1,684円から2,084円、2,584円と上昇し、PTSでは3,900円に達しました。
1/23までの5日間の株価の推移
デコルテ・ホールディングス
株式会社デコルテ・ホールディングスも株主優待制度を導入しました。
2024年3月末日の株主名簿に記載または記録された、1単元(100株)以上を保有する株主に対して、フォトウエディングサービスやアニバーサリーフォトサービス利用時に利用できる割引券を提供します。
保有株式数に応じて割引券の枚数が増え、より多くの投資家に中長期的に株を保有してもらうことを目的としています。
1/23までの1ヶ月間の株価の推移
投資家としての投資戦略の1つのアイデア
市場区分条件を満たしていない、またはPBRが低く放置されている銘柄については、株主優待の新設などを通じて株価が上昇する可能性があります。
投資家にとっては、このような変化に敏感に反応し、適切な投資戦略を立てることが求められます。
投資初心者の皆さん、市場の動向を見極め、各企業の対策を把握することが重要です。ただし、投資にはリスクが伴いますので、十分な情報収集と自己責任での判断が必要です。
また、当然ながら優待廃止の際は、株価が下落するリスクもあるので、この点も考慮に入れる必要がありますね。