ドル円の為替レートが160円までの円安が進行し、その後、急速な円高へとシフトする現象は、金融市場の複雑な動きを示しています。
このような変動は、政府や日本銀行による為替介入の可能性が話題になるケースもあります。
ポジティブな変化は見過ごされがち?
市場参加者や経済の一員として、私たちは時に変動の恩恵を受けながらも、その価値を見過ごしてしまいがちです。
特に、為替レートが有利な方向に進んでいるときは、その恩恵に気づかず、不利な方向に動き出したときに初めて苦痛を感じる傾向があります。
過去にドル円が80円から100円前後の円高で推移していた時代を覚えてますか?
なぜこのような状況が続いていたのでしょうか?私の個人的な見解としては、日本の経済が強かったというよりは、アメリカ経済がリーマンショックの影響で大きな打撃を受け、ドルが弱まった結果、円高が進んだと考えています。
円高恩恵
海外のものが安く買えていました。
生活用品のほとんどを輸入に頼る日本にとってはとても大きな恩恵を受けていたのです。
100円ショップで安く質の高い商品を買うことができたし、Appleなどのパソコンやスマホも安く購入ができていました。
国内旅行へ行くよりも海外旅行の方が割安感を感じてませんでしたか? その時期に海外への投資を行っていた人々は、その後の円安進行によって大きな恩恵を受けることとなりました。
でも実際にその恩恵を受けている時は、その時の恵みに気づかないものです。そして円安になり、その恩恵を手放して初めて、その重要さを知るようになるのです。
しかしながら、未来を正確に予測することは不可能で、結果論になることが多いですが、少しでも先を見越した行動を取ることの重要性がうかがえます。
それでは、現在の話に戻しましょう。
現在の為替の動向
日本はゴールデンウィークの中、為替レートが大きく変動してますが、円安の状態にあるとは言えますね。これ以上円安に進むのか、それとも円高に転じるのかは誰にも予測できませんが、大きな動きが起きそうな状況にあります。
新NISAの影響で投資を始める方が増え、その投資先として投資信託で人気なのは、海外の株式投資のようです。これは、無意識のうちに円安の恩恵を期待しているとも言えます。
つまり、円安になれば円価格で見れば、増えたように見えます。しかしながら、円高にシフトすると、為替損が発生するリスクに遭遇します。皆さんは、そのリスクを理解した上で海外へ投資をされていますか?
さらに円安に向かえば、海外投資はドル建てが多いので、為替の恩恵を受けます。
しかし円高に転じた場合、円換算で損をするリスクをかかけてます。誰も読めない未来においては、投資ポートフォリオを分散することが1つのアイデアです。
なお、ドルコスト平均法で毎月一定金額を積み立てるというのも、1つのリスク分散のアイデアではあります。
私の最近の為替状況における対応について
1ドル 100円の頃からドル建ての投資信託への投資をしていたため、150円を超える円安の恩恵を大きく受けました。為替で50%資産が増えてしまうのは、大変驚きました。そのため、利益の出ているドルの一部を円に切り替えています。
また、円安、円高、どちらに向かうか、判断はできませんが、日本がマイナス金利を解除、米国も少し遅れているものの、利下げが行われると想定しているので、かなり緩やかではあるものの、円高に少しづつ向いてくるのでは、と感じたりしています。
したがって毎月積立ている金額のうち、海外への投資比率を下げて、日本株やリートなどへの投資比率を上げるように見直しを行いました。
日本株の投資においては、円高恩恵を受ける企業で、成長性があり、割安そうな株の購入を増やすようにしています。
また、株だけの投資は偏るので、リートも購入していたりします。米国債が利下げに転じると短期的には債権価格は上がることになると予測するので、為替ヘッジ有りの米国債の投資信託を日本円で少し買っていたりします。但しヘッジがあるので手数料が高めなので、長期軸での投資には向かないとは思ってるので判断は難しいです。
まとめ
恩恵を受けている時は気づかないですが、一度アクシデントが起きて大きな負担となると、大きく関心を持ちがちです。
ドル円相場が不透明の今だからこそ、円安、円高どちらに触れても大きく損を出さずむしろそれを味方にできるように、ポートフォリオの見直しを考えてみたいですね。