PBR、PER、ROEなどの指標は理解できるけど、実際にチャートからどのようなことが読み取れるのか、今日はその解説を行います。
PBR,PER,ROEの簡単なおさらい
まず、PBR、PER、ROEについて簡単に説明します。
PBR(Price to Book Ratio)は株価純資産倍率とも呼ばれ、株価を1株当たり純資産で割ったものです。
PBRが1倍以下であれば、株価が純資産以下で取引されていることを意味し、割安と判断されることがあります。
次に、PER(Price to Earnings Ratio)は株価収益率とも呼ばれ、株価を1株当たりの利益で割ったものです。
PERが低いほど利益に対して株価が低いと判断され、割安とされることが多いですが、成長性を考慮する必要があります。
最後に、ROE(Return on Equity)は自己資本利益率とも呼ばれ、企業がどれだけ効率的に自己資本を使って利益を上げているかを示します。
ROEが高いほど、自己資本を有効に活用していることを示します。
次に、実際の企業のチャートを用いて、これらの指標がどのように読み取れるかを具体的に見ていきます。
NTT
日本電信電話(NTT)の株価は、過去数年間で緩やかな上昇を見せましたが、最近では下落傾向にあります。
この動きは市場全体の調整や業界特有の問題などが影響している可能性があります。
PBRは現在1.29で、NTTの株価がその純資産と比較してやや割安に取引されていることを示しています。
株価が上昇している一方でPBRがほぼ一定である場合、純資産も同時に増加していることを意味します。
これは、NTTが利益を再投資し、資産を増加させていることが考えられます。
PERは10.008で、これはNTTの利益に対して株価が適度に評価されていることを示しています。
PERが安定している間に株価が上昇している場合、企業の収益も増加していると考えられます。
ROEは13.90%で、NTTが効率的に自己資本を利用して利益を上げていることを示しています。
高いROEは、投資家にとって魅力的なポイントであり、企業が資本を効果的に活用している証拠です。
ルネサスエレクトロニクス
ルネサスエレクトロニクスの株価は継続的に上昇傾向にあり、特に最近の成長が顕著です。
新製品の成功や市場の需要増加が大きな要因と考えられます。
PBRは2.44であり、純資産に対して株価が割高に評価されていることを示しています。
株価とともにPBRも上昇している場合、市場がこの企業に対して高い期待を持っていることを示しています。
PERは17.424で、利益に対して高めに評価されています。
これは、ルネサスエレクトロニクスが将来的に高い成長を遂げると市場が予想していることを反映しています。
ROEは16.17%であり、企業が非常に効率的に自己資本を利用して利益を上げていることを示しています。
高いROEは、企業が収益性の高い投資を行っていることを示唆します。
三菱商事
三菱商事の株価は継続的に上昇傾向にあり、特に最近の成長が顕著です。
2020年前半にはPBRが1倍を大きく割れていましたが、現在は1.46まで上昇しています。
この上昇の背景には、ROEが11.27%と高いことが挙げられます。
高いROEは企業が効率的に自己資本を利用して利益を上げていることを示し、投資家にとって魅力的な要素です。
また、バフェットによる購入が注目を集め、市場の期待感が高まったことも一因と考えられます。
PBRが1.46に上昇した理由としては、ROEが高いことが挙げられます。
高いROEは企業が効率的に自己資本を利用して利益を上げていることを示し、投資家にとって魅力的な要素です。
バフェットの影響を受けてPERが上昇することは、投資家がこの企業に対して高い期待を持っていることを示しています。
三菱UFJフィナンシャル・グループ
三菱UFJフィナンシャル・グループの株価は過去数年間で安定的に上昇しており、特に最近の成長が見られます。
金融市場の安定や企業の収益力強化が影響していると考えられます。PBRは0.99で、純資産に対して株価が割安に取引されています。
PBRが安定している一方で株価が上昇している場合、純資産の増加が株価の上昇とバランスを保っていることを示唆します。
PERは13.273であり、利益に対して適度に評価されています。これは、三菱UFJが安定した収益を上げていることを反映しています。
ROEは8.10%で、やや低めですが安定しています。金融機関特有の保守的な資本構造の影響を受けることがありますが、安定したROEは投資家にとって安心材料です。
まとめ・サマリー
いかがでしたか?個別銘柄を分析する際、PBR,PER,ROEを推移を見ながら確認すると、その銘柄のトレンドや状況をより詳しく理解することができます。
ぜひ個別投資の検討や分析の際にお役立てください。
PBR,PER,ROEの用語解説