投資に関しては、タイミングがとても重要だと感じます。適切なタイミングで賢明な投資を行えば、リターンを期待することができます。しかし、投資の判断を誤ると、大損することになります。
私が2021年10月にある銘柄に投資したときの話です。当時は比較的割高な銘柄でしたが、2022年に米国の利上げやウクライナ戦争の影響で大きく値を下げました。
短期的なトレードでは、日々の値動きでその日のうちに利益を出して決済することができるので、それほど大きな損失には至ることはないかもしれません。
しかし、中長期的なトレード/投資においては、株価の下落により、かなりのダメージを受けました。 問題は、銘柄を正しく評価することを怠ったことです。
その会社が本当に割安かどうかを考えずに、価格が下がっているからと、ついつい相対的に安いと思って株を買ってしまったのです。その結果、株価はさらに下がり、大きな損失となりました。
この当時を振り返った教訓です。中長期投資では、成長株であっても割安で購入することが大切だと思うわけです。株価が下がっても、売上や利益が今後も上がり続けていれば、中長期的には株価は戻ってくると思うのです。しかし、最初からプレミアムな価格で購入してしまうと、リカバリまで非常に長い時間がかかったり、リカバリできない可能性もあるわけです。
購入時に株価が割安と判断するために参考とできる指標はあるのでしょうか?
1つの要素として参考になるのが、PBR PER ROEです。
用語の解説
PBR=株価/1株あたり純資産(BPS)
1倍であれば企業が解散した時に理論的には株価と同じ金額が株主に還元されることになり、この値が小さければ小さいほど、割安と判断されます。
PER=株価/1株あたり当期純利益(PER)
1倍であれば1年で株価分の利益を獲得できることになります。
ROE=一株当たり利益(EPS) ÷ 一株当たり純資産(BPS) × 100
投資家が投下した資本に対し、企業がどれだけの利益を上げているかを表す重要な財務指標。ROEの数値が高いほど経営効率が良いと言える
これらの指標は数学的には以下の数式が成り立ちます。
PBR=ROE×PER
一般的に割安と表現されるのは、はPBRが小さくてROEが大きくてPERが小さい株が割安、ということになります。
PBR PER ROEに関する解説動画
しかしながら、PBR PER ROEだけで判断することは危険、さらに押さえておきたい指標があります。
自己資本比率
総資本に対する自己資本(株主資本と評価・換算差額等の和)の比率をあわらします。
総資本=負債+自己資本なので、総資本に対してどれだけ借金しているのか/していないのか、が分かります。
PBR,ROE,PERは自己資本を基準として数値化されているため、自己資本率が低い方が相対的に良い数字として表される可能性があります。しかしながら、自己資本比率が少ない、つまり借金が多いということはそれだけレバレッジを効かせていることになるので、売上や利益が悪化すると経営基盤を揺るがす危険性もあるわけです。
今年に入り、グロース株の投資スタイルにおいても、確実な成長・利益の増加が期待される銘柄であることはもちろんのこと、PBRが小さく(高くても2倍までと決めました)、PERも小さい(高くても15倍が理想)、自己資本比率が安定している銘柄に絞り、投資し続けました。
1月に購入した銘柄でウクライナ戦争と遭遇しても、そのような株の株価は大きく下落しませんでした。
なお、日経平均PBRは2009年のリーマン暴落、2020年のコロナ暴落でも0.8を下回ることはありませんでした。PBR 0.8で購入ができたら比較的下落に耐えられるのかもしれません。
見つけるのは大変ですが、上場銘柄は数千社あるので、比較的多く存在しています。
当然 暴落局面では購入しやすく、暴騰局面では購入しづらいですが、暴騰局面でも個人的にはしっかりと今後はルールを守って割安で購入することを心がけたいと思いました。
1つの購入指標として参考になれば幸いです。