本日は、私自身がこれまでにどのような投資ポートフォリオを組んできたのか、その歴史的な推移と、直近の構成から見えてくる戦略、そして見直しを考えている方向性について共有させていただきます。初心者の方にもイメージしやすいよう、なるべくわかりやすくお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
過去から現在までのポートフォリオ推移について
振り返れば、私が投資を始めた当初は、ほとんどが現金や預金といった安全資産を軸に据えていました。いわゆるリスク資産への積極的な投資は控えめで、その一環として試していたのが、当時注目されていたソーシャルレンディングという仕組みです。これはインターネット上で資金を貸し付け、その利息で収益を得る方法でしたが、実際に運用を重ねる中で、予定通り返済が進まないことや、資金がすぐに戻らない不安定さに直面することになりました。こうした経験によって、ソーシャルレンディングは当初思っていたほど気軽な投資先ではないと気づき、徐々に資金を引き揚げていく決断を下します。
その後、世界的な株式市場が好調だった時期に、私は個別株への投資を増やしました。新興企業や成長期待の高いテーマ型銘柄にチャレンジしたのですが、これが想像以上に手間とストレスを伴うことがわかってきます。一つの銘柄を選ぶにしても、企業の業績から世界の経済情勢まで、調べなければならないことが山ほどありますし、株価は日々上下し、ときに何が引き金で動くかわからないほどです。こうした中で「判断ミスをしたらどうしよう」という不安が膨らみ、精神的なプレッシャーを感じることが多くなりました。その経験を通じて、いくらリターンを狙いたくても、自分が耐えられるストレスや負担を考えないと、長く続けるのは難しいと実感したのです。
そこで、投資信託やETFといったパッシブ運用の商品を徐々に増やしていくことにしました。こうした商品は、あらかじめ多くの銘柄を組み合わせており、自然に分散投資を実現できます。自分で個別株を選び続ける必要がないため、日々の値動きに神経をとがらせることも減りました。さらに、最近は市場全体が割高に感じられる局面が増え、将来の下落に備えて現金や外貨建て資産を増やすなど、柔軟なポートフォリオ調整を行っています。要するに、この10年ほどで、私は「慎重な現金中心」から始まり、「リスクを取りすぎた個別株投資」へと振れ、その後「パッシブ運用を軸にした分散と心理的安定」へとシフトしてきたというわけです。
直近のポートフォリオ構成とその考え方
直近のポートフォリオは、為替や金利の動向を見据えながら、日本資産をやや多めにする形で落ち着いています。これは、海外が利下げ、日本が利上げへと向かう可能性を考え、将来的に円高になるかもしれないというシナリオを想定しているためです。もし円高が進行すれば、以前海外で運用していた資金を割安なレートで再び海外へ送り込むことができます。そのため、今は「円高待ち」のようなイメージで、国内寄りのポジションを取りながら適切なタイミングをうかがっています。
また、株式市場がかなり高い水準にあると感じていることから、株式だけに頼るポートフォリオは避けるよう心掛けています。万が一、株式相場が急落すれば、一気に資産が目減りするリスクがあるからです。そこで、債券やコモディティ(原油や金などの実物資産)、不動産投資信託(REIT)といった、株式とは異なる値動きをする商品を組み込み、下落の衝撃を少しでも和らげる仕組みを整えています。
しかし、個人で細かくこの分散を行い、相場の変化に合わせて適時リバランスするのは容易ではありません。ここで役立っているのが、ロボットアドバイザーを活用した投資です。自動的に株式、債券、コモディティ、REITなどさまざまな資産クラスに投資資金が振り分けられます。これにより、初心者でも手間をかけずに分散が可能となり、株式急落時にも一部資産がクッションの役割を果たすことを期待しています。直近の戦略は、こうしたロボットアドバイザーによる分散と為替動向への先回りを組み合わせ、守りと次の展開への準備を並行して行うことが特徴的です。
来年度の私の投資シナリオについて
来年度に向けては、まず為替変動の行方がはっきりしません。円高が来る可能性を想定はしていますが、確実ではありません。とはいえ、もし円が強くなれば、海外での投資チャンスを逃さないように、今から国内資産をある程度確保しています。言い換えれば、「もし円高が来たら海外資産を再び安く買い戻す」という戦略を温めている状態です。このように、いつどの方向へ転ぶかわからない相場に対して、柔軟に動ける余地を残しておくようにしています。
また、株式市場については、今後急落するリスクも考慮し、慎重なスタンスを維持します。評価が高くなりすぎた、いわゆる割高な銘柄は徐々に整理していき、まだ市場の注目が集まっていない割安なバリュー株や、成長性はあるのに放置されている小型株に目を向けるなど、ポートフォリオ内の銘柄入れ替えを進めていく考えです。これによって、暴落が来たとしても比較的耐えやすい「守りのポートフォリオ」を作り上げると同時に、将来再び市場が盛り上がったときに恩恵を受けられるような、適度な攻めの余地も確保しようとしています。
さらに、ロボットアドバイザーの利用を一層拡大することで、債券やコモディティ、REITなどへ自動的に分散する仕組みを強化し、リスク分散を進めます。こうすることで、相場下落時にも完全に振り回されず、淡々と分散を維持できる態勢を維持しつつ、為替や相場環境が整ったら海外や特定の銘柄へシフトするなど、幅広い戦略を展開できるようになります。
まとめ
過去を振り返れば、私は最初は現金中心で慎重にスタートし、ソーシャルレンディングや個別株で試行錯誤した後、パッシブ運用を軸にすることで精神的負担を減らし、さらに割高な相場に備えて現金や外貨資産を組み込むなど、環境の変化に合わせてポートフォリオを変えてきました。直近では、海外利下げ・日本利上げ観測による円高期待を背景に国内偏重気味にしながら、ロボットアドバイザーで多様な資産クラスを自動分散してリスクを分散し、タイミングを狙う戦略をとっています。
来年は、このような柔軟な考え方をさらに強化し、円高が進めば海外資産を割安に取り込むことも視野に入れながら、割高な株式から割安なバリュー株や有望な小型株へとポートフォリオをシフトし、守りと攻めのバランスをとっていきます。皆さんもご自身の投資スタイルに合わせ、日々の情報に惑わされすぎず、長期的な視点でポートフォリオを見直すことで、より落ち着いた投資生活を送れるようになるかもしれません。今後も市場環境は変化し続けますが、その中で自分なりの安定した方針を見つけていくことが、長期的な資産形成の鍵になると考えています。