新NISA(少額投資非課税制度)の導入以来、多くの投資家が戦略を練らずに投資に飛び込み、その結果として株価の下落に直面し損失を経験しているという話を耳にします。
このような状況は、投資家が自らの投資判断を下すための仮説や戦略を自分自身で考えることの重要性を見落としていることに起因する場合も考えられます。
投資を始める前に、市場や投資対象を深く理解し、自分なりの分析を行うことは非常に重要です。このプロセスは、投資に限らず、日常生活の決断やビジネスの意思決定においても役立つスキルです。
他人のアイデアを素直に受け入れて何も考えずに投資をすることは、再現性もないので、良い投資とはいえないと思ったりします。
「考える」にはどのようなスキルが必要なのでしょうか?
「考えること」のスキルを身につけるためには、まず批判的思考能力を養うことが重要です。
批判的思考とは、情報や意見を分析し、その根拠を評価し、論理的かつ客観的な判断を下す能力のことです。
この能力を養うためには、多様な情報源から情報を得て、それらの信頼性や偏り、背景を考えながら情報を整理する習慣をつけることが有効です。
また、自分自身の前提や偏見にも気づくことが重要で、これには自己反省や他者との意見交換が役立ちます。
次に、問題解決能力を高めることも、「考えること」を身につける上で重要です。
投資判断を下す際には、多くの場合、不確実な情報をもとにした複雑な問題に直面します。
このような問題に対処するためには、論理的かつ創造的な思考が求められます。
問題解決能力を高めるためには、実際のケーススタディを解析したり、シミュレーションを通じて仮想的な問題に取り組むことが有効です。
また、他人の意見を聞き、多角的な視点から問題を見ることも大切です。
「考えること」は、ビジネスに必須なロジカルシンキングやクリティカルシンキングに相当するので、学んでおけば投資だけでなく仕事でも役立ちます。
ビジネスの世界では、常に複雑な問題に直面します。
そのような状況下で重要となるのが「考えること」です。
ロジカルシンキングやクリティカルシンキングといった能力を身につけることは、単なるスキルだけでなく、ビジネスにおいても非常に役立ちます。
これらの能力を磨くことで、投資においても仕事においても、より的確な意思決定が可能となります。そのため、積極的に学んでいくことが重要です。
なお、ロジカルシンキングは論理的に物事を考えることで、クリティカルシンキングはロジカルシンキングを使って結論を紡ぎ出すことです。
ビジネスも投資と同様、数学のように答えが1つではないです。したがって確率の高いアイデアを考えて実行する必要があります。確率を上げるためにも、「考える」ことが重要なのです。
ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの学び方について解説します。
理論を理解、それを練習問題を解いてこなしていく方法が良いでしょう。
そして、それを日常でも意識的に使っていくうちに、身についてきます。
大切なのは、繰り返し使いこなすことです。単に知識を得ただけでは身につきません。毎日使い続けることで、身につけることができるのです。
世の中ではさまざまな書籍がありますが、老舗の書籍としては、グロービスのクリティカルシンキングがあります。
また、最新ランキングによると「実践型クリティカルシンキング 特装版」の人気が高いです。
実は、ベーシックな方式は中学や高校の数学で学んでいるはずなのです。演繹法や帰納法という考え方です。
演繹法と帰納法
演繹法は特定のルールや前提から結論を導く方法であり、帰納法は具体的な事例から一般的な法則を見出す方法です。数学の授業で学んだこれらの考え方は、日常生活や仕事でも応用することができます。論理的思考を身につけることで、問題をより効果的に解決する能力が向上します。
また、論理構造をピラミッド形式で整理したり、MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)で整合性を図ったり、”安い、旨い、早い”のようにマジックナンバースリーで考えたりすることが未経験の方は、投資を考える前に、まず論理的思考力を学んでみることをお勧めします。
重要なのは、暗記だけではなく、毎日積み重ねて使わないと身につかないことを理解することです。「考えること」のスキルは、意識的に練習し、日々の経験を通じて徐々に向上させるものです。投資の世界だけでなく、日々の生活の中でこれらのスキルを意識して使い、磨いていくことが大切です。自分自身で情報を分析し、論理的な判断を下す力を身につければ、投資だけでなく、あらゆる面で賢明な選択ができるようになります。
マーケティングツール
思考のフレームワークとしては、マーケティングツールとしてPEST分析、3C分析、、4P分析などもあります。
マーケティング戦略を練る上で、思考のフレームワークは非常に重要です。その中でも、PEST分析析、3C分析、4P分析は、企業が市場環境を理解し、戦略を立てる上で広く利用されています。
PEST分析は、政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の4つの環境要因を分析することにより、外部環境の変化を捉えます。これにより、企業は長期的な戦略を計画する際に、外部からの影響を把握しやすくなります。
一方、3C分析は、顧客(Customer)、競争者(Competitor)、自社(Company)の3つの要素を中心に分析します。このフレームワークは、市場における自社の位置づけや競争優位性を理解するのに役立ちます。また、STP分析(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)は、市場を細分化し、ターゲット市場を選定した上で、その市場における自社のポジションを定義することを目的としています。これにより、マーケティング活動をより効果的に行うことが可能になります。
最後に、4P分析(Product、Price、Place、Promotion)は、製品戦略、価格戦略、流通戦略、プロモーション戦略の4つの観点から、マーケティングミックスを考えるためのフレームワークです。これにより、市場での製品の立ち位置や競争力を高めるための具体的な戦略を立てることができます。
これらのフレームワークを活用することで、企業は市場環境を多角的に分析し、より戦略的なマーケティング計画を立てることが可能になります。各フレームワークはそれぞれ異なる視点を提供するため、組み合わせて使用することで、より包括的な分析と戦略策定が行えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
日本の教育では、自分で考えて意見を述べる機会が非常に少ないため、「考える」という行為自体について理解していない人も少なくありません。
ぜひ考える力を養い、自分で投資について熟考して活用してみてください。