日用品の市場
日用品業界は競争が激化し、企業が生き残ることが難しくなっています。このような激しい競争の背景には、業界内の企業数が多いこと、消費者の嗜好が急速に変化していること、参入障壁が低いことなど、さまざまな要因があります。このような環境は、企業が差別化を図り、市場の中でニッチを見つけることを困難にしています。
その結果、多くの企業が苦境に立たされています。この競争が激化する中で、どの企業が生き残ることができるのでしょうか?
良品計画が無印良品500の提供を発表
暮らしの基本を支える商品の提供を目指し、500円以下の日用品や消耗品を中心に集めた新業態の店舗、「無印良品 500」をオープン
無印良品のコンセプト
「誠実な品質と倫理的な意味を持ち、生活に欠かせない基本商品群、サービス群を、誰もが手に取りやすい価格にすること」を使命の一つと掲げ、生活者の皆さまの「日常生活の基本を支える」ことを目指しています。食品をはじめ多くの生活必需品の価格高騰が続く中でも、品質の良い商品を手に取りやすい価格で提供し続けるため、1980年の無印良品スタート時から変わらず「素材の点検・工程の見直し・包装の簡略化」を行い続けています。
無印良品 500の具体的な商品ラインナップ
新業態となる「無印良品 500」は、店舗で販売する商品のうち、500円以下の日用品・消耗品が約7割となります。具体的には、生活必需品となる、洗剤各種や掃除用品、キッチン用品、トイレットペーパーやキッチンペーパーなど紙類、歯ブラシや歯磨き粉などの洗面用品、化粧水・乳液などのスキンケア用品、シャンプーやコンディショナー※1、下着やくつ下、ノートやペンなど文房具、スープやカレーなどの食品、クッキー等のお菓子を販売いたします。また、通常の無印良品と比べて売り場面積をコンパクトにし、駅ナカや駅チカ、街中など、日常的に来店しやすい生活圏に出店します。
今後の計画
「無印良品」は来春以降さらに、500円以下の日用品のラインナップを拡大していきます。23年春夏シーズンは約100アイテムの新商品を販売する予定です。また、「無印良品 500」について、まずは2023年2月末までに都心部を中心に30店舗、その後年間20店舗のペースで出店を計画しています。
ニュース動画
良品計画 運営の無印良品が新業態 無印良品500の提供を開始しました。
日用品の小売業界の縮図
日用品業界は大戦国時代です。
コロナ禍で給料が減る中、100円ショップの売上は大きく伸びました。
主な企業としてはダイソー、セリア、キャンドゥ、ワッツなど。100円ショップ業界 ランキング&シェア…
一方、円安や原材料費の高騰により、100円の価格で商品を製造することが難しくなり、100円ショップを中心に低価格帯の価格設定を、300円、1000円など、幅を伸ばしてきています。
ダイソーがStandard Productsという300円をベースとするブランドを拡大しています。
300円をベースとする3 coins というブランドをパルグループホールディングスが運営しています。
少子化、人口減により、日本人の利用者は確実に減少することになります。
そして、少し価格帯が高めの無印良品がこの領域に参入してきました。
日用品の小売業界の難しさ
・薄利多売ビジネスなので、一定の規模の販売が必要ですが、日用品であることから、商品そのものの差別化が難しい。
・輸入に頼っているため、輸送や為替の影響を受けやすい
日用品の小売業界で生き残るためには
・人口減少を超えるため、海外で拡販に成功できるか
( 海外店舗や越境ECなど)
・高いブランド力で他社との差別化を見出せるかどうか
上場している会社のファイナンス状況
キャンドゥ、パルGHD、ワッツ、セリア、良品計画、ニトリHD、の6社を調査
コロナ禍の反動で、100円ショップの時価総額は減少傾向。一方、引き続きPBRは1倍を超えている。
今後の日用品の小売業を制するのはどの企業なのか?