人工知能(AI)の研究は昔から存在してますが、ChatGPTのリリースにより、誰もが手軽に活用でき、実際の効果を体感するようになり、実際に利用者は急増しています。
一方、投資家目線で考えると、AIも過去のIT技術と同様、大きく投資する大企業に集中し、体感としてはAIに関わる利用者側の立場に立つと、大きくそのコストが下落しているように思えます。
従って人工知能(AI)が次の技術と思いつつ、この技術単体でマネタイズをするのは難しいように思えます。今回は、人工知能(AI)について深掘りたいと思います。
素朴な疑問:AIの結果が導き出される根拠がわからない理由
人工知能(AI)を利用していて、理解ができないのは、なぜそのような回答に導いたのか、そのプロセスを解明したいです。
調べてみると、人工知能(AI)、特にディープラーニングモデルの挙動を理解するのが難しい理由には以下が挙げられます。
ブラックボックスの問題
ディープラーニングモデルは何千、何百万ものパラメータ(重みとバイアス)を使用して学習します。
これらのパラメータは、入力と出力の間の複雑な関係性を捉えますが、その関係性は人間が直感的に理解するにはあまりにも複雑です。
これが「ブラックボックス」の問題と呼ばれるもので、モデルがどのように特定の結果を導いたのかを具体的に追跡・説明することが難しいです。
中間表現の抽象性
ディープラーニングモデルは、入力を最終的な出力に変換するために、多数の中間表現(各層の出力)を生成します。
しかし、これらの中間表現は非常に抽象的で、直接観察することが難しいです。
したがって、これらの表現が具体的に何を意味しているのかを理解することは困難です。
欠けている因果関係
ディープラーニングモデルは因果関係を理解する能力を持っていません。
それらは統計的なパターンを学習しますが、それがなぜそうなるのか、つまり「なぜ」の質問に答えることはできません。
これらの問題に対処するために、AIの「説明可能性」や「透明性」についての研究が活発に行われています。
この研究分野では、AIモデルがどのように判断を下しているのかを人間が理解できるようにする手法が開発されています。しかし、完全な理解にはまだ達していません。
ディープラーニングとは?
ディープラーニングは、コンピュータが自分で物事を学ぶ方法です。人間が学ぶように、コンピュータも情報を学び、その情報を使って問題を解くことができます。
例えば、犬と猫の絵を見分けることを考えてみましょう。人間は、犬と猫がどのように見えるかを学んで、それらを見分けることができますよね。ディープラーニングも同じようなことをコンピュータに教えます。
まず、たくさんの犬や猫の絵をコンピュータに見せます。これらの絵は「学習データ」です。コンピュータは、これらの絵を「見」て、犬と猫がそれぞれどのように見えるかを学びます。これは、コンピュータが「知識」を得るプロセスです。
そして、新しい絵が犬か猫かを判断するために、コンピュータは学んだ知識を使います。これが「推論」または「予測」のステップです。
このようなプロセスを通じて、コンピュータはディープラーニングを使って物事を学び、新しい問題を解くことができます。まるで人間が新しいことを学んで理解するように、コンピュータも新しい情報を学んで理解し、それを使って問題を解くことができるのです。
つまり、人が学んでいるプロセスを機械で実践していることになります。興味深いのは、学ぶ上で必ずしも因果関係は存在しない、という点です。
したがってディープラーニングから得られた結果の根拠を聞いても答えられないわけです。なるほど。
人工知能(AI)のプラットフォームを提供しているのがアメリカの巨大企業に限られている理由
人工知能(AI)プラットフォームの開発と提供には、大きな投資と高度な専門知識が必要であるため、それを提供できるのは資本とリソースを豊富に持つ大企業が多いというのが現状です。
特にアメリカの巨大企業は以下のような要素を兼ね備えており、AIプラットフォームのリーダーとなっています
リソース
AIの研究と開発には大量のコンピューティングリソース(CPUやGPUなどのハードウェア)が必要で、これらは非常に高価です。
大企業はこれらのリソースを持っており、大規模なAIモデルのトレーニングやデプロイメントが可能です。
データ
AI、特にディープラーニングは大量のデータに依存しています。
アメリカの巨大企業はユーザーからの大量のデータにアクセスでき、これをAIモデルの学習に使用できます。
専門知識
AIの研究と開発は専門的な知識を必要とします。
大企業は資金を使ってトップレベルの研究者やエンジニアを雇い、最新のAI技術を開発しています。
スケールの経済
大企業は大規模なインフラストラクチャを通じてAIサービスを提供し、多くのユーザーや企業にサービスを提供することでコストを削減できます。
しかし、これは全てのAIプラットフォームがアメリカの大企業によって提供されているわけではなく、世界中には大小様々な企業や組織がAIの研究と開発に取り組んでいます。
それらの組織もまた、一部のニーズを満たすための独自のAIプラットフォームを提供しています。
中小企業がAI業界で成長するには、どのような方法が考えられるでしょうか?
中小企業がAI業界で成功を収めるためには、さまざまな戦略を採用することが可能です。
以下に、そのいくつかを提案します
ニッチな領域に焦点を合わせる
大企業は通常、広範な問題に対処しますが、中小企業は特定のニッチな領域や産業に特化することで競争優位性を得ることができます。
たとえば、特定の産業向けのAIソリューションや、特定の問題を解決するためのAI技術などを開発することです。
パートナーシップやコラボレーションを活用する
中小企業は、大企業や研究機関、他の中小企業とパートナーシップを結び、共同でプロジェクトを進めることで、リソースと知識を共有し、製品やサービスの開発を加速することができます。
利用可能なオープンソースツールを活用する
現在、数多くのAI関連のオープンソースソフトウェアやライブラリが存在します。これらのツールを利用することで、中小企業でも資源を大きく投じずにAIの開発や研究を行うことが可能になります。
AIサービスのデモクラタイゼーションに貢献する
AI技術をより多くの人々が使える形にすることで、新たな市場を開拓することも可能です。たとえば、専門知識がなくても使えるユーザーフレンドリーなAIツールを開発することです。
資金調達
ベンチャーキャピタルや政府の補助金などを活用して資金を調達し、研究開発に必要なリソースを確保します。
これらの戦略を採用することで、中小企業でもAI業界で活躍し、独自の価値を提供することが可能になります。
AIを活用することで恩恵を受けられる企業とは?
AIは多くの業種・業態で幅広く利用され、その恩恵を受けることができます。以下に、主な例をいくつか挙げます:
製造業
製造業は品質管理、生産計画、設備保守などにAIを利用します。AIは異常検知や需要予測を行うことで、生産効率を向上させるとともに、製品の品質を保つことができます。
医療業界
AIは診断支援、疾患予測、患者ケア、遺伝子解析などの分野で利用されています。これにより、医療の質と効率性が向上します。
小売業
AIは在庫管理、需要予測、顧客の購買行動分析などに利用されます。これにより、より効率的な運営と売上向上を実現します。
金融業界
AIはクレジットスコアリング、不正取引の検出、投資戦略の開発などに利用されます。これにより、リスク管理が向上し、より良い投資決定が可能になります。
運輸業
AIは自動運転車、最適な配送ルートの計算、トラフィック予測などに利用されます。これにより、効率的な運輸と安全性向上が期待できます。
教育業界
AIは個別化された学習プランの作成、学習進捗の追跡、学習効果の予測などに利用されます。これにより、個々の学習者に合わせた教育が可能になります。
これらは一部の例であり、AIの応用範囲は非常に広く、どの業界でもAIを活用することで効率化や新たなサービスの提供、品質向上などの恩恵を受けることが可能です。
このような状況においてAI関連で個人投資家の投資先のアイデアとは?
資本と優秀な技術者を持ちAIのグローバルプラットフォームの構築が期待できる企業
この領域では、資本力と優れた技術者陣を有する企業がグローバルなAIプラットフォームの構築に取り組んでいます。
彼らは大規模なデータセットと高度な計算リソースを活用し、AIの研究、開発、デプロイメントを行い、さまざまな業界や領域にAIの利用を拡大しています。
これらの企業は、AIモデルのトレーニングや推論に必要なインフラストラクチャを提供し、開発者や企業にAIを活用したアプリケーションやサービスを提供しています。
彼らのプラットフォームは、世界中のユーザーと企業にAIの恩恵を広範に提供することが期待されています。
AIプラットフォームを活用して企業にAIソリューションを提供する企業
この領域では、AIプラットフォームを活用して他の企業に対してAIソリューションを提供する企業が注目されています。
彼らは自社のAI技術や専門知識を活かして、他の企業のニーズに合わせたAIソリューションを提供します。
例えば、顧客データの分析や需要予測、自動化されたプロセスなど、さまざまな業務領域にAIを適用し、企業の業務効率化や競争力向上を支援します。
これらの企業は、AIプラットフォームを利用して独自のAIソリューションを提供することで、顧客のニーズに応えつつ成長を遂げています。
AIの恩恵を受け、業務改善・創造性により成長が期待できる企業
この領域では、AIの恩恵を受けながら業務改善や創造性を追求する企業が注目されています。
彼らはAI技術を活用して、効率化や品質向上などの業務改善を実現し、競争力を高めます。
また、AIの力を借りて新たな製品やサービスを開発し、市場での成長を促進します。
例えば、顧客サービスの自動化やパーソナライズ、マーケティングの効果的なターゲティング、クリエイティブなコンテンツ生成などが挙げられます。
これらの企業は、AIを戦略的に活用することで、業績向上と競争優位性の獲得を目指しています。