グロース市場の銘柄が最近、売られてきていますね。同様にマザーズ指数も売られてきています。
1つの要因として、金利の影響が想定されます。
本日は株式市場と金利の影響について解説します。
なぜグロース市場の銘柄やマザーズ指数は金利の影響を受けるのでしょうか?
ディスカウントファクターとしての金利
企業の将来のキャッシュフローを現在価値に換算する際、金利はディスカウントファクターとして使われます。
金利が上昇すると、将来のキャッシュフローの現在価値は低くなります。
特に、グロース企業は将来の収益が大きな魅力となっており、その収益をディスカウントする金利が上昇すると、企業の現在の評価が低下します。
資金調達コストの変動
金利の上昇は、企業が借り入れる際のコストを高めます。
グロース企業やマザーズ市場の企業は、成長を続けるために外部資金を頼りにしていることが多いため、金利の上昇は資金調達コストの増加となり、それが企業の収益性や成長見通しに影響を与える可能性があります。
オルタナティブインベストメント
金利が上昇すると、債券などの固定収益商品の利回りが魅力的になるため、一部の投資家が株式から債券などへのシフトを考慮することがあります。
これにより、株式市場への投資需要が減少し、株価が下落するリスクが高まります。
経済全体の見通し
金利が上昇する背景には、中央銀行がインフレを抑制するためや、経済の過熱を防ぐための政策変更がある場合があります。
これが、経済成長の鈍化や、消費者や企業の支出を抑制する要因となり得ます。
総じて、金利の上昇は、グロース市場の銘柄やマザーズ指数にとって、企業の収益性や資金調達コスト、投資環境の変化といった多くの面で影響を及ぼします。
そのため、金利の動きは常に投資家の注目点となる要因の一つです。
用語の補足
グロース市場
東京証券取引所が2022年4月4日から導入した新市場区分のうち、比較的規模の小さいベンチャー企業などが参加する市場です。
マザーズ指数
東証マザーズ指数は、東京証券取引所における成長企業向けの市場である「マザーズ市場」に上場する内国普通株式全銘柄を対象として算出される時価総額加重平均型の指数として誕生しました。
2022年4月の東証市場区分再編によりマザーズ市場は廃止となりましたが、東証マザーズ指数自体は2022年4月以降も継続して算出されています。
東証マザーズ指数は今後、一定のルールに基づき構成銘柄の入替(3段階)が行われ、 2023年11月6日に指数名称が「東証グロース市場250指数」へ変更される予定です。